センターフォワードはいらない⁉
センターフォワードはいなくてもよい!!!
- センターフォワードとは?
センターフォワード(以下 CF)相手ゴールから一番近いポジションで、華のポジション。得点することが仕事のストライカーだ。
優れた体格を駆使しワンタッチで決めるタイプのストライカーや、自らのスピードを使い裏に抜け出すタイプや、ドリブル勝負を仕掛け得点を決めるストライカーもいる。大きく分けたらCFはこの3種類になるだろう。
- 近頃のCFは変わってきている!!!
まずは、古典的なCFから触れていこう
現在の日本代表で呼ばれているCFは古典的なタイプ、適用方法が多い。大迫勇也、永井謙佑、岡崎慎司、もう少し若いと上田綺世、前田大然、小川航基、があげられる。
大迫、小川、岡崎は、体の使い方を上手に使いワンタッチで決めるタイプに入る。大迫のボールキープは代表戦でも、強豪国相手でも通用し今では大迫抜きの日本代表では、攻撃が単調になることがある。岡崎は大迫、小川とは違い小さな体だが、体を使い小さいからこその入り込めるスペースに飛び込むことが出来る。他にも岡崎の特徴は、ハードワークがある。前線から行うハイプレスは、岡崎の武器であり、仲間を生かすnewタイプとも言える。
永井、前田は圧倒的なスピードを武器として相手DFの背後を狙い得点を取るストライカーだ。永井は遅咲きとしてFC東京での活躍を認められ代表入りをしブレイクしている。前田は21歳という若さで海外進出し注目を集めている。松本山雅時代に教え込まれた前線からの守備も武器としていて、これからも目が離せない。
上田はどのタイプにも入らないハイブリッドなCFだ。裏への抜け出しを得意とし、持ち前の体格を使ったヘディングも見ものだ。日本のCF上田の時代がくるだろう。
この名前を挙げた選手たちはCFらしく、相手ゴール付近でプレーをし得点をする。古典的なやり方だ。勿論このCFは相手DFを常に脅かすことができ、サッカーのシステムを作るうえで合理的で必要なポジションとも言えるだろう。
しかし世界に目をむけてみると、CFの役割は変わってきている。
ゼロトップ
一度は聞いたことがある人も多いだろう。ゼロトップは実際にCFがいないわけではない。CFは合理的で必要だからだ。では、ゼロトップとはどのようなものなのか?
有名なところでは、ASローマのトッティやバルセロナのメッシだ。どちらの選手も共通点がある。個人の技術が非常に優れており、ドリブル良し、パス良し、シュート良しと3拍子揃ったトップレベルの選手たちだ。
- ゼロトップの原理
ゼロトップとはCFが中盤まで落ちて、相手DFラインから消えることで生まれる現象である。偽9番とも呼ばれている。
青チームで見てみる。システムはバルセロナ同様の4-3-3 中盤はバルセロナのお得意の形である逆三角形型だ。5レーン全てに配置ができるバランスの取れた形だろう。
そこにCFの11番が中盤まで落ちてくる。すると、7番、8番の背中で、3番4番がマークを付けないポジショニングを取れることがわかる。3番又は4番がマークに付けばいいと思われるが、それはリスクをとることになる。何故なら9番、10番が赤チームサイドバックをピン止めしているからだ。こうして中盤で数的優位を作ることで、ゲームを有利に進めることが出来る。
- ゼロトップのメリット
ゼロトップのメリットは、中盤での数的優位を作れることが一番のメリットである。
サッカーの原理から考えると、ボールポゼッションの時間が増えると試合に負ける可能性は減る。相手チームの攻撃時間が少なくなるからだ。バルセロナでは、メッシが6番の横で10番の背中にポジショニングを取ることでさらに自陣深いところから、メッシが前を向いてボールを触れることで、スイッチを入れて攻撃することが出来る。ただ、メッシは特別でメッシだからできることではある。
中盤での数的優位が作れるだけではなく、試合から相手選手を二人消すことが出来る。これについては、新ゼロトップの提案で話そう。
他にもいるはずの選手がいないことで相手DFのマークの錯乱や、本来1列目のCFの選手が2列目からの飛び出しが出来るようにもなり、より流動的に動くことが可能である。
- ゼロトップの実現の難しさ
ゼロトップは実現性が低い。
ゼロトップを実現するうえで一番必要なことは、自チームのCFがドリブル、パス、シュートと全てのタスクをこなさなければならないからだ。一般的には、試合を作るゲームメイクと点取り屋のストライカーは、別の選手で考えるが、そこをどちらも任せられる選手でなければならない。つまり、そのCFへの依存性が非常に高く、求められるタスクが多すぎる。
チームとしては、ボールポゼッションができなければゼロトップが落ちてくる意味もなくなってしまう。また、4-2-3-1のワントップでCFが落ちてきてしまえば、前線に残る選手は一人もいなくなってしまいカウンターがしづらくなってしまう。
- 新ゼロトップの提案
従来のゼロトップのデメリットを補うことが、できるのが、新ゼロトップだ。この大きな違いは、
従来のゼロトップはCFが試合中に流動的に消えることである。すなわち選手の判断によって行われるものだった。
しかし、新ゼロトップはシステムの構造から消すことである。すると何が起きるのか?
これが新ゼロトップの姿だ。3-3-2-2 全ての場所で数的優位、又は同数を作ることが出来る。何故3バックなのか。それは、4-4-2での2がワイドに開く形をとったゼロトップの形にしてしまうと、サイドバック、サイドハーフ、両ウイング、とサイドのレーンに計6人を配置するのは、中央の枚数が少ないこと、ハーフスペースに配置された選手がいないことから、ネガティブトランジション時のバランスが非常に悪くカウンターを受けやすい。
このシステムもバランスがよく見えるが、10番、11番、3番、4番が同数になってしまうことから、6番がカバー、サポートに入っていしまい8番、7番、8番、7番で同数になってしまい、11番がゼロトップとして落ちてくることが、あまり、意味が無くなってしまう。
新ゼロトップの提案では、
5レーン全てに選手の配置が出来る。
画像を見ると3番、4番の選手二人がシステム上不必要である。更に9番が5番、10番が2番、11番が8番、4番が7番をピン止めすることで6番がフリーマンとなり、システム上有利を取ることが出来る。では、相手チームがセンターバックをなくせばいいが、センターバックをなくすことは、ありえない。そこにCFがいなくてもいなければならないのが、センターバックだ。
この新ゼロトップのもう一つのメリットは、従来のゼロトップでは、様々なタスクを求められその全てをこなす選手でなければ、務まらなかったが、CFをなくし、シャドーに配置することで求められるタスクは減ることになる。
では、誰が点取り屋になるのか、それは両ウイングの選手だ。CFタイプの選手がウイングに配置されるのはそう珍しいことではない。クリスティアーノ・ロナウドや、ルイス・スアレスが、クラブでウイングに配置されることもある。これが新ゼロトップのヒントになった。
つまり、新ゼロトップでは、中盤の枚数を増やし、数的優位が作れ、サイドにストライカーを配置することにより、ダイアゴナルランや、二列目からの飛び出しで相手センターバックの背後も狙える。ということだ
これはシステム上の話であり、この全てが上手くいくわけではない。
ただ、
システムで試合を優位に進められるのであれば、それに越したことはないだろう。